山小屋日誌3

  • 5日 晴れ時々曇り 77名


昼:冷やし中華
夜:ホイコーロー、ぜんスペシャ

今日は午前中、掃除が終わった後に男性メンバーが雪かきをしに行きました。

ひろみさんと私は見に行くことに。
8月なのにまだ雪が残っているなんて…夏に雪を見たのは初めてかもしれない。
そしてちょっとだけ参加。
案の定、へっぴり腰過ぎて力になれませんでした。はは。

そして今日は田中さんが帰る日。
はじめての小屋でのお別れの日。
関西弁ですごい面白い田中さん。
すっごい好きでした。
どうやら私は下の娘さんに似ているらしい。
いっぱい可愛がってもらっていました。

両手にストックを持って軽快に去っていく後ろ姿を見ながら「また会いましょう!」と手を振りました



仕事が終わって小屋に戻ると無線が入りました。
そう、山小屋では携帯がつながらないので無線なのです。
この無線、本当は緊急の時とか結構パブリックなものなんだけど、北岳では小屋同士で予約の確

認とかもしてます。

しかし、今回は予約の確認ではなく…どうやら怪我人が発生。
雪渓(雪のあるところ)で転倒、足首を骨折した模様。
すぐさまおぐりさんと高妻さんが現場に向かいました。

おぐりさんはいろんな山小屋を転々としてて、経験豊富。
まかないを作るのもごはん炊くのもみんなおぐりさん。
レスキューの時はいつも高妻さんとおぐりさんが行ってます。


負傷されたのはどうやら昨日うちに宿泊されたお客さん。
4名グループで、そのリーダーが負傷していました。
しばらくして仲間が小屋に降りてきました。
リーダーはヘリで搬送されることに。

小屋でおじさんも一緒にヘリ待ち。

きたきた。
でも、ガスっていてなかなか近づけない様子。


登ってきたお客さんたちもみるみる。



無事に搬送もできた様で、帰ってきてからみんなでお昼。
話を聞いていると、あたしが来る一週間前にも出動要請があったそう。
そのときは高妻さんとぜんさんが行きました。
現場に到着した時にはもう心肺停止状態(医者がいないので死亡診断はできない)。
お池小屋に搬送することになり、高妻さんとぜんさん、周りの人の手も借りて背負子を使って帰っ

てきたそうです。
亡くなった方は力が抜けてしまうし硬直してしまうからとっても重くなるんだそうです。怪我しておん

ぶしてもらう時って人は落ちないようにつかまっててくれるけど、死体はそうじゃない。
また、亡くなると臭ってくるって。その時も例外ではなかったそうです。
ぜんさんは山小屋経験もないのにすごかった。とみんな言ってました。

山は怖い。
その人は滑落したわけじゃない。心臓発作だって。
気圧が低いので大丈夫だと思って少し無理するととりかえしのつかないことになります。

軽い気持ちで山小屋バイトー♪なんて言ってきたけど、私も気を引き締めなくてはと改めて思いま

した。
風邪とかひいちゃったらいったん下に降りないと治らないってひろみさんも言ってたし。
山は知らないことがいっぱいで、私は何回も「なるほど。」とふむふむ言っていました。



そしてお昼過ぎにはメンバーが増えました!

ちひろちゃん(18) 大学生
とがわさん(21) 大学生

ちひろちゃんはもくもくと仕事をこなすしっかり者。
笑顔が可愛くて時々毒舌なところもたまらなく可愛い☆
ひろみさんお休みの時はとにかくずっと一緒でした。
高校の時に山岳部ですっごいアクティブ。
海外旅行するならインドに行きたいって☆
だから、小屋ではインドの話とかいっぱいしました。

とがわさんはとっても美人。
誰とでもすぐ仲良くなっちゃう。
勤勉家でいっつも時間があったときに中国語の勉強してた。
仕事が終わったらチベットに行くそう。
山梨出身で山登りもするみたいで、いろいろ教えてもらいました。


いろんな事がいっぱい起こった1日でした。