山小屋日誌11
- 13日 曇りのち雨 70人くらい
昼:カレー
夜:お好み焼き
佐藤さんとタシさんがお昼からボッカの日でした。
外のチップトイレのチップ缶が缶切りであけられてた!!!!
ひどい…
てか、わざわざ山に登りに来て(御池まで2、3時間)小銭稼ぎって…
せこい。
あほか!
二俣という分岐点にはバイオ式(ボットン)トイレがあり、そこでもチップ式がとられています。
おぐりさんはそっちも気になるから、と見に行ってくれました。
午後、受付でお留守番してたら無線が入りました。
− 緊急事態発生、緊急事態発生… 御池小屋、どうぞ。
それを聞いた私はダッシュでキッチンにいたゆうこさん(高妻さんの奥さん)に叫ぶ。
「ゆーーーこさあーーーーん!緊急事態です!!!緊急事態です!!!」
そういう時はゆうこさんに無線を取ってもらう。
横で私はメモしていました。
これ、実際に書いていた箇条書き…
・小太郎(頂上に向かう途中)
・肩の小屋寄り
・AEDなし
・心きんこうそく
・意識不明
・心臓動いている
・呼吸なし
AEDは北岳の山小屋では御池小屋にしか置いてない。
内容はAEDを持ってきて欲しい。とのことでした。
午前中に二俣まで行っててお昼寝していたおぐりさんを起こしてAEDを持って行ってもらうことに。
そのあとすぐに高妻さんも向かいました。
けど…
御池から肩まで頑張っても約2時間(コースタイムはたしかもっとかかる)。
少し経って、心停止から15分。との無線。
パラパラと雨も降ってきてボッカの方も心配。
女性スタッフだけが小屋に残りました。
そんな中、いつもより早めに混み始め、1回のみだった夕食も駆け込み客の多さに急遽2回に増やし、部屋の準備もしました。
夕方になってボッカの人が帰ってきて急いで夕食準備に参加。
私はあづまさんと受付にてんてこまい。
あっという間に時間が経過しました。
レジは合ってたし、なんとかなりました。
ゆうこさんに「ゆいちゃんがいると安心!」なんて言われちゃったから調子乗ってました。
事故の無線が時々入る。
−こちらからも肩の小屋の者が取りに向かいます!
けど、間に合いませんでした。
あとで聞いた話、
やはり時間的に間に合わなかった。
そして上の小屋の人はAEDの使い方を理解していなかった。
他の小屋にAEDが設置されていなかったのは意外でした。
こういうことでifは考えちゃいけないことかもしれないけど、
もし…
もしも肩の小屋にAEDがあったら…?
場所は肩の小屋から10分ほどのところだったそうです。
たとえAEDを使用してダメだったとしても…
こういう事故でAEDで復活する可能性は0じゃないはず。
AEDの普及を切に願いました。
私もAEDについての理解を深めようと思いました。
夜、その日の夜中2時にピークだったというなんたら流星群による流れ星を見るためにちひろちゃんとあづまさんとデッキへ。
ふとした瞬間に
「あっ…。」
あづまさんと私ははっきりくっきりと同じ流れ星をみました。
そしてそれからもちょいちょい見れる流れ星。
だんだん女性スタッフが集まってきて、
「わぁぁぁぁぁぁぁー☆☆☆☆☆」
今まで生きてきた中で一番長くてはっきりと、
アニメの様な流れ星を見ました。
ほんの数分で7つもみれました。
流れ星は燃え尽きるんですよね?
それを想うと少し切なくなりました。
目の前に広がる多くの星たちが本当に命のようで…。
山小屋日誌10
- 12日 晴れ 77人
昼:チャーハン オムライス チヂミ スープ
夜:しょうが焼き
朝、無線デビュー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
これは、毎朝北岳にある各小屋が天気や周辺の情報を交換するために行うのです。
今日、やってみなよ!とおぐりさん。
思い切って…でも怖い怖い言ってたら
お「じゃあいい…」
ゆ「いやっ!!やる!!!!」
いつもこんな感じです;;;
−おはようございます。
こちらアルペンプラザ、御池小屋どうぞ。
おはようございます。こちら御池小屋です、どうぞ。
−そちらの天気をお願いします、どうぞ。
天気は晴れ、視界良好、気温は15℃です、どうぞ。
(おぐりさん:風は?風は??)
…無風です、どうぞ。
(おぐりさん:無風って!笑)
−わかりました、今日も1日よろしくお願いします、どうぞ。
よろしくお願いします!
お「返事が早いヨー、一息おかなきゃあー。あと早口!」
ゆ「はぁーい(-з-)」
でも、本当に天気がよくて、
お掃除もとっても気持ちが良くできました。
外トイレはテントや立ち寄った方の為にチップ制で設置されているのですが、掃除している時に出てったおじさんが「ここのトイレが一番キレイ!」と言ってくれました。
リニューアルして4年と新しいものの、すっごく嬉しくなりました。
調子に乗って「キレイに利用して下さる皆さまのおかげです。」とか言えるようになったよ!笑
でも、まじめに、そういう1つ1つのお客さんの何気ない一言のおかげで小屋のお仕事していて幸せ!って思える。
ここに来れてよかった。
いま、あたし良い経験できてる。って心から思えました。
失敗してばっかりだけど、
人に助けられてばっかりだけど、
せめて自分は楽しく仕事をしていたい。
自分から。まずは。
ついに新しい女性メンバー2人が到着!
あづまさんはまさかの弟の先輩!
(母校が一緒っていう意味で)
びっくりだー
…世界ってせまい;;;
ほりこしさんの第一印象は面白そう!
はじめはあたしが受付なこともあってあんまりおしゃべりしてませんでした。
明日から朝ご飯の準備が早番(朝食の1時間前)・中番(その30分後)・遅番(スタッフの朝食6時)でローテーション制に!!!!
あたしは6時起きだってー
いやー遅すぎて寝れない予感!!!
おまけ
山小屋日誌9
- 11日 快晴 26人
昼:チャーハンオムライス(?)、タシsoup
夜:チキンフライと目玉焼きバーグ
台風で天気最悪!かと思えばまさかの快晴!!!!!!!!!!!
前日から通行止めだった南アルプス林道も解除されました。
天気が良いうちに…ということで高妻さん夫妻とアンモルさんが予定を早めて下山決定。ショックー。
最後は教えてもらった言葉でお別れしました。
"フェリ ベトゥ(ン)ラ"
=また会いましょう。
また、どっかで会えますように。
今日1日は高妻さん夫妻がいないからお留守番です。
タシさん特製スープ製作中☆
お昼、下界から一本の電話。
(ん…世界遺産?)
どうやら南アルプスを世界遺産に推薦する会みたいなのがあるらしく…
御池小屋経営者ら6名が今夜、うちに泊まるらしい…
え、高妻さんたちおりちゃったじゃん(・∀・)
後に高妻さんから電話かかってきて、世界遺産の人たちが来るから、今日は特別に8人部屋を6人部屋仕様にするように、との指示がありました。
"ビールをお出しするように…"との指示も。めんどくしぇっ。
世界遺産の人たちは1人多く引き連れて7人で無事到着。
予定通りビールをお出ししました。
そして、夕食の時間。
18時到着予定の人たち(2組6名)が時間になっても来ません。
心配になったのでおぐりさんに相談。
おぐりさんが途中まで見に行くことに。
1組目、2名はすぐのところにいて、まもなく到着。
その2人に「あと4名に会いませんでしたか?」と聞くも「知らない」との答え。
とりあえず2人にはすぐに夕食食べてもらって(本来夕食は17時)、おぐりさんは残りの4名を迎えに行くことに。
2名は着いて間もなく「じゃ、生2つね。」
むかついた。
小屋の人の心配もよそに、偉そうに…。
4名を受け付けでドキドキしながら(事故っていうこともあるから…)待つ私に20代くらいの男性が
「テントに宿泊してる者なんですが、自分の裏にテント張ってる人…たぶん2人くらいが今朝の3:30頃に出てったきり帰ってきてないみたいなんです…。ちょっと心配なので、一応報告しにきました。」
って言いにきました。
テンパる私。
「あ、はい、わかりました。どうもありがとうございます。」
ってテントの場所も詳しく聞かないままその人を帰してしまいました。
しばらくして4名もなんとか到着。
しかも、おぐりさんが1人のザック持ってあげてる…。
その4名の中のおばちゃんが受け付けて「やっぱりあたしお弁当いらないわ!」とか言い出して、取り消したり登録したりしてたらレジがめちゃくちゃに…。
さらにおぐりさんにテント場の人の話したら情報があいまいすぎてかえって迷惑をかけてしまうことに…。
結局、どのテントの人かもわからないまま「今日は待つ。」という結論に。
レジの方はごっちゃごちゃになってしまってレジ締めの収集がつかない状態に。
もう…泣きたくなった(;_;)
でも、こんなとこで泣ける立場じゃない。
全部悪いのは自分。
だけどみんな優しかった。
タシさんに肩トントンてされて振り向いたらほっぺ突かれたり(ベタ)、
「泣かない!」って諭されて「泣いてない!」って意地張ってみたり(ベタ笑)、
外川さんはレジ合わせるのに一生懸命付き合ってくれたり、
おぐりさんも冷静に対処してくれたし、
他のみんなで片付けしてくれて…
自分がだらしない、情けないと痛感した。
それとともに本当に人に助けられた1日でした。
本当にごめんなさい。
テントの人、帰ってきてくれますように…
そして1人部屋怖い…
山小屋日誌8
- 10日 雨のちくもり 30人
昼:うな重
夜:カレイ?のあげもの
台風もう1こ発生。
8号は九州上陸。
朝から天気よくなくて、ツアー客もみんな上には行かずに下山。
そしてぜんさん、ひろみさん、山田さんも下山。
2こ付けのぜんさんのザックはとっても重そう…
だけど、ボッカの時の重さはこんなもんじゃないって聞いて改めて有り難さを実感。
涙涙なぜんさんとのお別れ。
私もしっかり握手してお別れしました。
修行、頑張ってくださいネ!!!
台風の影響でキャンセル続発。
お客さんはついに昨日の1/3に。
日中は暇なのであみだくじで受付の仕事を当番制にしました。
お昼寝少しできた!
明日はもっと雨が激しくなる。ということで、お昼頃、急遽わかおさんも下山することに。
ひろみさんがいなくなっちゃって、一人部屋になってただでさえ寂しかったのに、わかおさんまでいなくなっちゃった。寂しい(´;ω;`)
今日から増える予定だった新しいスタッフ2人も上がって来れませんでした。
午後は受付んとこでおぐりさんとおしゃべり。
AEDのこととか話しました。
使い方〜とかいろいろ。
現在、北岳でAEDが設置されているのはうちだけ。
何かあったらうちの人が動きます。
先週の事故んときもAED持ってったらしい。
18時半より台風の影響で林道が通行止め。
との情報が無線で入ってきた。
一応、明日の昼頃には解除される予定。
山小屋日誌7
- 8日 曇りのち雨 83人
昼:ミートスパゲティ
夜:チゲ鍋
あめー
日中の仕事も特になく、うだうだしてました。
高妻さんのカメラ触らせてもらった。
新品で買ったら300万だって…
持つ手が震えないわけない…
もし壊したら何年山小屋に住み着けば返せるだろう…とか思ってました。
高妻さん、実は写真家です。
今年の5月?のビーパル?に取材されたみたい。
だから、小屋にはおっきな高妻さんが撮った北岳の写真が飾られています。
大判担いで山登りは絶対無理だな…。。。
受付の仕事はほとんど慣れました☆
台風発生!
8号…かな?
問い合わせの電話がいっぱいかかってきました…。
明日はぜんさんが下山&ひろみさんがお盆休みで下山する日。
ぜんさんは長かったし、そのキャラクターからみんなから好かれていました。
だからぜんさんお別れパーティーしました☆
あー ぜんさん帰らないで!
ひろみさんがいなくなるのもいやだなー。
ひろみさんはうまくできるかちょっと心配してました。
がんばります!
山小屋日誌6
- 8日 曇り 121人
昼:サンドイッチ
夜:からあげ
日中は館内清掃の後に窓の掃除!
その間に私は受付の仕事を教えてもらいました。
電話予約番と受付。
部屋は8人か6人部屋。
(繁忙期は一枚の敷き布団に2人!だから16人部屋と12人部屋があります。)
予約されてる方はあらかじめ布団を確保しておきます。
お客さんがいらっしゃったら予約を確認し、その枠にパズルのようにあてはめて行き、部屋と食事と館内の案内をします。
これを2人でやります。
この日はお客さん121名。
1回で食事できるのは60人までなので2回にわけて食事することになります。
…なので食事の席と時間を指定してご案内してみたり。
この日始めてだったので泣きそうだったけどなんとかなりました;
[お詫び]----------------------
ごめんなさい、記憶違いでした。
レジを教わったのは8日です!
みんなはゴミ拾いだとか山の整備に行っちゃいました。
私は店番。すっごい寂しかった。
それがあたしの仕事だけど、みーんな外に行っちゃって。
座ってるだけだから正直あたしの方が楽ちんだけど、やっぱりみんなと一緒にお仕事がしたかった。
こん時はホントにそれは思ってました…。
後半はもう、"私の仕事"☆って席譲らないくらいやりがい感じてたけど。
山田さんが来た!
山田さんもママさん。
とーっても面白いけど辛口。佐藤さん嫌いらしい笑
土日だけ来るんだとか…ハードです。
わかおさんと同じ部屋だったので、今日から4人でおしゃべり☆
受付してたら超わがままなおばちゃん3人組がきた。
個室希望って言われてたんだけど、混雑具合がすごいから今日は無理って伝えたのに「個室で予約してたんだから個室入れろ」って言ってきて、働いている人のお部屋を1日あけました。
他にも個室希望の人はいて、我慢してもらってたのにそのおばちゃんたちは全くひきませんでした。
なんだかなぁ…
お昼食べてたらお客さん来ちゃって、サンドイッチ1つ食べられないで夜になってしまって、結局捨てることになりました。
ひろみさんとわかおさんが作ってくれたサンドイッチ。
涙をのんで…。
その話を夜、部屋でひろみさんに言いました。
そして最近、食欲がないことも。
目の前に食事がある。
おいしそう!
口にする。
あと一口!のところで吐き気…これ以上入らない。
でも無理して口にいれる。
その後気分悪くなる。
山小屋なのでヘリやボッカで食料が運ばれていることも、比較的豊かとはいえ、あるもので工夫してまかない作ってもらっていることも重々承知でした。
だけど胃に入らない。そんな感じ。
だからいつの間にかごはんの時間が憂鬱になってきていました。
そしたらひろみさんはまじめな顔で
男性スタッフの苦労や高妻さんの気遣いにちゃんと感謝して食べなきゃだめ。
もしも、本当に食べられないなら最初から盛ってくれる人にこっそり少なくしてもらうように頼むとか、そういうことしなきゃだめ。
山で何かあったらどうするの?
いつもいっぱい食べておかないと。
何かあったとき、自分を守るのは自分なんだから。
高妻さんはいっぱい食べろっていうけど、そういうことなんだよ。
って言ってくれました。
気付いたらまた泣いちゃってた。
そこまで言ってくれるひろみさんがありがたくて。
ひろみさんも好き嫌いあるからこっそりお願いしてる。だから誰かに言っとくのも手だよ。って言ってた。笑
あまりに泣いたので次の日の顔は最悪でした(^ω^);;;
でも、それから少しして落ち着いたのか、高地に慣れたからか、ごはんの時間が楽しみになるくらいに回復しました。
原因はわからないけど、やっぱり気圧とかの関係だったのかも。
もう後は太るのみです…。