山小屋日誌5

  • 7日 雨


昼:たまご丼
夜:いろいろ

朝から天気よくなかったです。
人もあんまりこなくて1日中なかにいました。

この日はなぜか写真も一枚も撮ってないし
日記も少しだけしか記録してない…(´・ω・`)



しかし!

夕方、お客さんの夕飯の片付けが終わって自分たちがごはん食べてたら、食堂の方からお客さんが「わーわー」言ってるのが聞こえました。

必死に外に向かってカメラを向けるみなさま。

外に出てみると観音岳からグィィィィーンと虹が伸びていました。
そしてその外側にももう1本。

その幻想的な光景にしばらく人々は静かに眺めていました。


素敵な景色に出会えて幸せを噛みしめました。





夜、またわかおさんのお部屋に行って3人でおしゃべり。

話の流れで何故か全員号泣。

そして爆笑。
あんまり笑うとうるさいって怒られちゃうから静かに爆笑。


自分たちのお部屋に戻ってまた2人でおしゃべり。

明日も良い1日になりますように☆

山小屋日誌4

  • 6日 くもりのち雨 100人


昼:焼きそば
夜:麻婆ナス


今日は荷揚げの日。

荷揚げはヘリで下から食材やら燃料やら道具やらを運んでもらうことです。
帰りは逆に使い終わったドラム缶や溜まった糞尿等を下におろしてもらいます。
山小屋にとってはとっても重要なヘリの荷揚げですが、天候によってなかなか飛べません。
だから「○日にヘリ飛びまーす!」って言ってても、「やっぱり天候厳しいから延期ー。」って延期延期延期…になることもあるそうです。

うちの小屋は中腹だから比較的飛びやすいけど、山頂あたりの[北岳山荘]や[肩ノ小屋]まではなかなか飛べないらしいです。

さて、あたしにとって初めての荷揚げの日。
そしてぜんさんも初めての荷揚げ作業。

ばっちりです☆



空いた時間にトランプ大会☆
百万円トランプ。全部併せて5200万円♪
ネパール出身のアンモルさんにみんなで大貧民教えてあげました。
なんか… ルール理解するの早いです。 いっぱい勝ってました。
さすがアンモルさん(^^)!!



午後。後半戦です。

高妻さんが無線でヘリポートとやりとり。


そんなことしている間にわかおさんが来た! 噂のわかおさん!!!
わかおさんは私より少し上のお嬢さんがいるママさん。
めっちゃ明るくて元気で若くて美人で…適当!笑
ひろみさんは前からわかおさんが来るのを心待ちにしていて、私もきっと好きになるって言ってました。

夕食が終わってからひろみさんはお酒を持って、一緒にわかおさんのお部屋にお邪魔しておしゃべり♪
キッチンにはお酒がいくつかおいてあって、それも自由に飲んでいいんです。

ひろみさんが梅酒持ってきてくれていただきました。
すっごい楽しかった-。
初めましてなのにそんな気もしなかったです。
とにかく愉快な夜でした。わかおさん大好き☆

そしてぐっすりおやすみなさい。

山小屋日誌3

  • 5日 晴れ時々曇り 77名


昼:冷やし中華
夜:ホイコーロー、ぜんスペシャ

今日は午前中、掃除が終わった後に男性メンバーが雪かきをしに行きました。

ひろみさんと私は見に行くことに。
8月なのにまだ雪が残っているなんて…夏に雪を見たのは初めてかもしれない。
そしてちょっとだけ参加。
案の定、へっぴり腰過ぎて力になれませんでした。はは。

そして今日は田中さんが帰る日。
はじめての小屋でのお別れの日。
関西弁ですごい面白い田中さん。
すっごい好きでした。
どうやら私は下の娘さんに似ているらしい。
いっぱい可愛がってもらっていました。

両手にストックを持って軽快に去っていく後ろ姿を見ながら「また会いましょう!」と手を振りました



仕事が終わって小屋に戻ると無線が入りました。
そう、山小屋では携帯がつながらないので無線なのです。
この無線、本当は緊急の時とか結構パブリックなものなんだけど、北岳では小屋同士で予約の確

認とかもしてます。

しかし、今回は予約の確認ではなく…どうやら怪我人が発生。
雪渓(雪のあるところ)で転倒、足首を骨折した模様。
すぐさまおぐりさんと高妻さんが現場に向かいました。

おぐりさんはいろんな山小屋を転々としてて、経験豊富。
まかないを作るのもごはん炊くのもみんなおぐりさん。
レスキューの時はいつも高妻さんとおぐりさんが行ってます。


負傷されたのはどうやら昨日うちに宿泊されたお客さん。
4名グループで、そのリーダーが負傷していました。
しばらくして仲間が小屋に降りてきました。
リーダーはヘリで搬送されることに。

小屋でおじさんも一緒にヘリ待ち。

きたきた。
でも、ガスっていてなかなか近づけない様子。


登ってきたお客さんたちもみるみる。



無事に搬送もできた様で、帰ってきてからみんなでお昼。
話を聞いていると、あたしが来る一週間前にも出動要請があったそう。
そのときは高妻さんとぜんさんが行きました。
現場に到着した時にはもう心肺停止状態(医者がいないので死亡診断はできない)。
お池小屋に搬送することになり、高妻さんとぜんさん、周りの人の手も借りて背負子を使って帰っ

てきたそうです。
亡くなった方は力が抜けてしまうし硬直してしまうからとっても重くなるんだそうです。怪我しておん

ぶしてもらう時って人は落ちないようにつかまっててくれるけど、死体はそうじゃない。
また、亡くなると臭ってくるって。その時も例外ではなかったそうです。
ぜんさんは山小屋経験もないのにすごかった。とみんな言ってました。

山は怖い。
その人は滑落したわけじゃない。心臓発作だって。
気圧が低いので大丈夫だと思って少し無理するととりかえしのつかないことになります。

軽い気持ちで山小屋バイトー♪なんて言ってきたけど、私も気を引き締めなくてはと改めて思いま

した。
風邪とかひいちゃったらいったん下に降りないと治らないってひろみさんも言ってたし。
山は知らないことがいっぱいで、私は何回も「なるほど。」とふむふむ言っていました。



そしてお昼過ぎにはメンバーが増えました!

ちひろちゃん(18) 大学生
とがわさん(21) 大学生

ちひろちゃんはもくもくと仕事をこなすしっかり者。
笑顔が可愛くて時々毒舌なところもたまらなく可愛い☆
ひろみさんお休みの時はとにかくずっと一緒でした。
高校の時に山岳部ですっごいアクティブ。
海外旅行するならインドに行きたいって☆
だから、小屋ではインドの話とかいっぱいしました。

とがわさんはとっても美人。
誰とでもすぐ仲良くなっちゃう。
勤勉家でいっつも時間があったときに中国語の勉強してた。
仕事が終わったらチベットに行くそう。
山梨出身で山登りもするみたいで、いろいろ教えてもらいました。


いろんな事がいっぱい起こった1日でした。

山小屋日誌2

  • 4日 晴れ


お昼 : アンモルキムチチャーハン
夜  : メンチカツ


2時20分起床。
意外とアッサリ起きられた。
ひどい筋肉痛を想像したけど地味な筋肉痛でした。

顔洗って歯磨いて着替えて…
準備をしたあとキッチンに着いたらまずココア。
ひろみさんに「はいっ」と一口チョコももらって食べる。
気圧が低いし、朝ご飯はお客さんの朝食後だからチョコとかカロリーと糖分高いものを食べておくのです。
そして4時30分のスタートに向けて冷えてる体を温めて動けるようにします。

お皿並べて食事準備。外はまだ真っ暗。

その間に冷凍してあるものを解凍したり、お味噌汁作ったり、お米炊いたり、分担して作業をすすめます。

さて、お客さんが降りてくる時間。
客間(?)は二階にあり、食事の時間に食堂の前に並んでもらい、来てもらった方から順番に席に案内するというシステムです。

今日も私はごはん番。
「おはようございます、ごはんはどのくらい盛りますか?」

6時15分頃 お客さんが出発する頃にスタッフの朝食
みんなそろって「いただきます。」


食事後、2階にあがって掃除。

毛布をたたんで 敷き布団のホコリを落として 床の掃き掃除。
その他に外にあるチップ制のトイレ掃除や玄関や食堂の掃除もやります。
しかし、どこをとってももともとキレイだから掃除も楽ちんだし楽しい☆
それに、みんなでやるのですぐに終わります。


掃除のあとはティータイム。

コーヒーからココアからレモネードからなにやらいろいろあって、いつでもなんでもいくらでも飲んでOKです。
お菓子箱をもってきてそれも食べちゃってOKです。
想像していた恐ろしい山小屋生活はどこへ…。って思いました。

お菓子に囲まれて超笑顔の佐藤さん。
佐藤さんはチョコ大好きですぐなくなっちゃうからよく隠されてました。笑

お昼はアンモルさんが作ってくれました。
アンモルさんはとっても優しくて穏やかな人です。
いっぱいネパール語習いました。
日本語がかなり流暢なのになぜか時々日本語習いたてみたいなしゃべり方になる。
日本食、味噌汁大好き。むしろ沖縄の人って言われてました。



お昼食べてから夕飯まで時間があるのでお昼寝することにしました。
これ失敗。寝坊しちゃった…。
3時半には起きるつもりだったのに4時に起き…。

「あんまり忙しくないから起こさなかったんだよー」とひろみさん。
ひろみさんは優しくて頭の回転が速い。
同じ部屋で二段ベッドの上に寝てて、起きる時間も寝るときも一緒。
いっつも一緒にいてくれて、でもちゃんと怒ってくれるし心配してくれる美人なお姉さん的存在。


…?!
気付いたら新しい人が増えてる!
タシさん(27)
名前はチベットの言葉なんだって。
世界一周をしてて、2年くらい(?)ブラジルに住んでて英語とポルトガル語話せる背の高いイケメン(?)お兄さんです。
たくさんかまってもらいました。

夕飯出してー
片付けー
食洗機はないので、流れ作業で手洗いです。

アンモルさんとぜんさんはなかよし。
この二人のお皿洗いが早いので私は二人の間に入れませんでした。

私が洗い場に入るとぜんさんから時々ぼそっとダメ出しくらってました。
ぜんさんはなんだかゆるーいのに仕事が早くていつも笑ってる温かい雰囲気をまとった人。
山を下りたらおうちがお寺なのでお坊さんになる修行が待っているそうです。
そのあとアジア(中国〜インド)あたりをバスで旅するそう。


あ、そうそう、今日はボッカの日でした。
ボッカは背負子に荷物を乗せて運んできてもらうこと。
今回は佐藤さんが高妻さんのお手伝いで行ったんだけど、
途中でリタイアして、結局高妻さんが重いの持って上がってきました。笑



夜はひろみさんとおしゃべりしてから寝るのが恒例になりました。

今夜も星がとってもキレイです。

山小屋日誌1

  • 3日 出発 晴れ


朝5時に家を出る。
荷物が入ったバックパックを初めてまともに背負う。ちょっとひるむ。
駅にて切符を購入。
これで本当に甲府に行けるのかな…
そっから心配。

新宿からあずさに乗り換え。
あずさで爆睡。
寝てたら9時に駅で待ち合わせていたほさかさんから電話。
寝てたから寝過ごしたのか、遅れてるのか、はたまたまだ着いてないのか全くわからなくなり若干パニック。
結局、普通に予定通り甲府には着きました。

甲府からほさかさんの車で約2時間。
ほさかさんはその間しゃべりっぱなしでした。
眠らなくて済んだからよかったけど。

こんなに晴れたのは久しぶりだって。
晴れ女でよかったです。

広河原という登山口にて下ろされ、近くにある建物の人とおしゃべり。
ほさかさん「この子、初めて登るらしいんだけど誰か一緒に行ってあげられる人いないかなぁ-?」
相手「さぁ-…」



ほさかさん「ま、今から登ってく人はみんなお池に泊まるはずだから付いてけば着くよ!」


…(・∀・)…大丈夫かな?



そういうことでほさかさんと別れ、広河原でおにぎりを食し、いざ山小屋へ。

履きなれない登山靴に重-いザック。
足取りは重く、不安で仕方ありませんでした。

登ってくと後ろから追い越していく早いおっちゃんやおにいさん。
すれ違う人や先を行く人一人一人に「こんにちは」と言うカメな私。



30分くらい歩いたところで同じペースでおじさんたちと登ってたら、
その中の一人のおじさんが一緒に登ってくれることになった。


永遠に続くんじゃないかという急登…


木が倒れているにも関わらず、道が拓けているところを通ろうとする私。
おじさん「そっちじゃないぞー。それは人が間違えないようにわざと木を倒してるんだから。」

初心者な私はまじで一人で歩いてたら大変なことになってたかと思われます。


おじさんは足場の悪いところは先に歩いてくれたし、
あたしが突然立ち止まっても動くまで待っててくれたし、
「足止めたら動かなくなるぞー。次のベンチまであと○分だからがんばれー。」て後ろから励ましてくれてすげー助かりました。 そしてすれ違い様に「この子ねー、今日からこの上のお池小屋でアルバイトなんだってさー」って知らないおじちゃんおばちゃんに言って回ってて、いつの間にか周りの人にまで「おねーちゃんがんばれ!」「けがしないようにゆっくりおいでー上で待ってるからねー!」ってエールの嵐。
だいぶ心配されてました。


もう、ゼェゼェハァハァ息はあがるし、きっと顔も真っ赤っかだったし、気圧も低かったので訳もわからず「とにかく日が暮れるまでには着かなきゃ!」って思いだけでおじさんに励まされながらザックに体を持って行かれないように山道を進む私なのでした…










なんとか小屋に到着!

しかし忙しいらしく、部屋を案内されてそのまま待機。

もうすぐシャワー浴びれる*1 からって服着替えないでいたら冷えちゃって、早くも風邪ひくかと思った。
ようやく落ち着いてシャワー入れてもらって、荷物の整理してたら

「じゃあ、今日はごはん盛ってくれる?」

その日のうちにごはん番決定。
夕食のおかわりのごはんを盛る係をしました。

お客さんはどうしても山道ですれ違った方がほとんどなので
「あらおねーさん、もう働いてんの−!?」
「すごいわねー、がんばってー!!」

おそらく、その日の小屋では一番の人気者でした。

さっきすれ違った中にいた20代くらいのお兄さんに
「いつまでここいるのー?」って聞かれました。

ゆい「20日までです。で、24日からインドに行く予定です!」

お兄さん「いんど?いんど?…インド?」

ゆい(???)

お兄さん「ボク、ちょうどその時期にネパールにいるんだ!」

ゆい「え、そうなんですか?じゃあ、またどこかでお会いできるといいですね!」

お兄さん「はは、そうだね。」



お客様の食事が終わって片付けも終わって夕食。

山小屋のご飯は質素なものかと思っていました…

だがしかしbutけどけれど!

その日はホットプレート使って焼き肉でした。がっつりがっつり!
そう、山ではいっぱい体力を付けておかなければいけないのです。



memo

くりたさん(27) 主婦
たなかさん(??) 主婦
ぜんさん(24) ??
おぐりさん(36) 山小屋長期
さとうさん(35) タクシー運転手
アンモルさん(28) ネパールの留学生

高妻さん 管理人さん
祐子さん 高妻さんの奥さま



次の日は3時半には仕事開始。
起きれるか心配でした…。

*1:ちなみに、普通の登山者はシャワー浴びられません。山小屋で生活する人はあまりにも汚いと接客業としてもよろしくないので、定期的にお客さんがいない時間を見計らってシャワーを浴びることができます。山では水はとっても大切なので、週に1回ほどしか入れない山小屋も多くあります。

山小屋日誌 prologue

  • 1日 国際交流のつどいイベント準備日


つどいメンバーの渋谷さんにより山小屋バイトの存在を知った。
早速家に帰って検索。
行きたい日にちピッタリな小屋を発見!

[白根御池小屋]
期間 7月上旬〜10月中旬
即日〜8月20日頃まで
年齢 20〜40才くらいまで、
職種 調理、接客、清掃など、山小屋業務全般
募集人員 長期:男性1名
短期:男女各2名
日給 8000円〜10,000円 食費不要、交通費実費支給
その他 短期:7月上旬〜8月末など。または週末のみ。繁忙期10日間程度の方も大歓迎です。

http://outdoor.geocities.jp/shiraneoikekoya/

お給料のことも何も考えずに期間だけで選び、
そのまま受話器を手に取って働きたいという旨を伝えた。









  • 2日 国際交流のつどい本番


朝の準備をしてるときに電話。
特に何にも聞かれずに採用。
え、こんなんでいいの?と思ってしまう私。


"急だけど明日から来てくれる?"

私もそのつもりだったけど…

その一言で私の山小屋生活は始まった。



イベント終了後、大急ぎで登山用の買い物。
運良く登山靴は家にあったので、登山靴用の靴下、服、雨具を用意。
これ、山登り究極の最低限。笑

その日はイベント打ち上げに出たのち、
荷造り終わんねー終わんねーって早くから半べそ。
深夜3時まで荷造りは続いたのでした。



ちなみに渋谷さん曰く、山小屋の日給というのはだいたい\6000〜…。
御池小屋はやけに日給がいい…。
そして標高。
初めての登山なのに2300m台。
高山病にはならなくとも、体調崩してしまうかもしれない…とのことでした。
今更不安は募る…募る募る募る…。

果たして私は山小屋で上手く生活していけるのでしょうか…。

メール42件も着てたけど。

あたいは生きてるよ-!



小、中、高、大、前バイト、今バイト…
みんなからメールきてた…

メルマガもあったけどみんなありがと-!


愛されてます(・∀・)実感してます



山の家族たちとお別れしてきました。

泣いた泣いた。

まだ帰りたくなかったよ---